第14回ALS自立支援東葛ネットワ−ク会議・神経難病研究会
今回の題目は「終末期医療にどう向き合えばいいのか」で5名の講演があった。
期日:平成30年11月3日(土)
会場:鎌ケ谷総合病院大会議室(9F)
1.「難病に関する千葉県の動向」
佐藤千織(千葉県健康福祉部疾病対策課難病・アレルギ−対策班)
3年前に制定された難病法で疾患対象が大幅に増えたが人数的には少し増加である。これは軽度の患者には支給対象とならず医療費補助のみに限定している。千葉県ではALS患者は1%の438名(H29)。入院中の患者がヘルパーを利用できるようになったが、まだ病院側で周知できていないケースがあるようだ。
2.「ALSを支える:魂とアパシ−の視点」
湯浅龍彦(鎌ケ谷総合病院千葉神経難病医療センタ−・難病脳内科センタ−長)
ALSを告知されたほとんどの患者は気力のある魂状態と無気力の状態を何度も繰り返す。原因不明のALSだがいろいろの現象は発見されリスクや悪化を抑える処方薬が出されている。気力のある魂状態を維持するためには食慾と睡眠欲を満足させねばならない。
3.「コミュニケ−ションの最新情報−−−Cyin tm福祉用−−−」
若松浩二(CYBERDYNE株式会社営業部門HALメディカル領域担当部長)
心電図などに用いられる生体電極を用いた信号処理装置で腕や足のわずかな動きでもしっかりと波形が出てきてスイッチの代替の役割を果たす。歩行アシストロボットで開発されたノウハウがあるためその信号処理能力が高いようだ。ただMCTOSに比べかなり高価なのが難点である。
4.「終末期を支える看護力」
花井亜紀子(国立精神・神経医療研究センタ−病院医療連携福祉相談室)
終末期を自宅で迎えたいのが患者の願い、しかしALSの場合は看護の関係でやむなく病院で迎える方も多い。その場合患者さんや家族に良かったと思われる看護をどのようにするかを実例で紹介された。院内で通夜・葬儀をやる姿勢に驚きと感動した。
5.「ALSの治療と難病患者の生と死の境界」
和泉唯信(徳島大学大病院神経内科特任講師)
講師は大学教授とお寺の住職も兼ねる特異な方で、実例に基づいた説得のある内容だった。ALSの体内での生理的現象を詳しく述べられ、薬の開発の動向にいろいろの道があることを示した。期待されているIPS細胞については遺伝的ALSについては試験や治験がされているが、孤発性ALSについてはまだまだ先の道のようだ。(福永記)
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