視線入力装置について
視線ユニットTobii EyeX conntorollerは2万円台で、またその対応ソフト「ハーティラダー」も無償で入手できるため、自己負担でも気にならない意志伝達装置が構築できるので注目されている。このユニットがEye Tracking Coreとして最近ヴァージョンアップされており、「ハーティラダー」とその支援ソフトもそれに対応したヴァージョンアップがすでに準備されていた。以前のものはUSB3だったのがUSB2に変わったのだが、ドライバーソフトは2倍の容量になっただけでなく64bitの高速パソコン対応になっている。旧ユニットではWindows7 Home Premium SP1 32bit Ops Celeron 1000M 1.8Ghz RAM 2GBの「伝の心」のパソコンに導入して「ハーティラダー」を共用できていたが、新ユニットではできなかった。だが、高速のintel core5クラスを搭載したパソコンを持っていれば使えるようだ。
さて、視線入力装置を使うにあたり目の疲労が気になる点があり、特にALS患者さんの目の疲労に注意が必要と思われる。健常者の自分が使って感じたことを述べたい。
1.ユニットから発せられる赤外線
視線ユニットはパソコンの画面下の枠に設置されているが、使用中は3つの赤外線ランプが点灯している。周りが暗くないかぎりこの光が気になることはほとんどなかった。
2.画面
視線モードでは視線先の画面にアイコンが出て目の動きに応じて左右上下に移動する。この目にくっついたような現象が長い間使っていると精神的に気になってくる。網膜上にもこの光がある部分に滞っているわけで長時間だと何らかの症状が出てもおかしくないだろう。次に文字の「確定」は、1.目を閉じる 2.ある時間(通常1秒程度)その文字を凝視する 3.別のスイッチで確定する という3方法があるが、1と2は結構目が疲れ、精神的に負担を感じるようになる。3が望ましく、ジョイスティックアダプター(手作り品をICT救助隊が4千円ほどで販売)に利用できるスイッチを接続して使うのが無難。これだとスイッチを押さないかぎり文字を確定しないので、操作中、気兼ねなく目を休めることができる。
3.その他
視線入力用の文字選択画面はかなりコントラストや色配置がハデなので長い間使っていると次第に目が疲れてくるため気になる。できればコントラストや色を調整できる改訂が望ましい。ともあれ眼球が疲れることは症状の進行を悪化させるとも言われるので少しでも疲れたら休むという習慣をつけるべきと思われる。
(福永記)
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