日本ALS協会 千葉県支部「活動・イベント・ニュース」

「ALSと共に闘い、歩む会」日本ALS協会千葉県支部、および協賛・支援の活動とイベントを伝える支部公式ブログ。
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シンポジウム「これからの難病研究〜新しい治療法の開発」

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     日本予防医学協会主催のシンポジウムが
    平成26年1月19日(日)にJA共済ビルで行われ、その概要は以下であった。

    「国の難病対策について」(13:05〜13:50)
    岩佐景一郎氏(厚生労働省健康局疾病対策課)
    人口の0.1%以下の希少の病気で原因が特定せず、生活に大きな支障をきたす難病の研究のために100億円の支援予算を確保している。1種類の新薬開発に20億円もかかる状況から十分とは言えないが対象は56種類、現在認定されている難病は130種類、近い将来300種類に拡大される予定。また他の病気と比べ、手厚い対策を講じている。

    「これからの難病研究について」(13:50〜14:00)
    葛原茂樹氏(難治性疾患等克服研究推進事業委員長/鈴鹿医療科学大学教授)
    各種の専門家が協力し合って難病を解決させた「スモン病」を例にあげ、患者のデーターをしっかりと調査、情報を共有して調べることが重要と述べる。

    講演1(14:10〜14:40)
    「iPS細胞技術を用いた神経疾患の病態解明と治療法の確立
    岡野栄之氏(慶鷹義塾大学医学部生理学教授)
    iPSによって問題細胞を増やすことでその原因、治療試験に大いに貢献し、アルツハイマーの症例で大きな成果を挙げたことを紹介。

    講演2(14:40〜15:10)
    「産官学連携による難治性疾患克服推進の重要性
    花輪正明氏(日本製薬工業協会医薬品評価委員会副委員長)
    難病の治療研究には医師、研究者、製薬業者、そして官による予算と法律的支援が不可欠で、脂肪萎縮症と補充療法薬レプチンの例でその成果を紹介。

    講演3(15:10〜15:40)
    「難病の創薬・実用化研究の現状と展望」
    福島雅典氏(公益財団法人先端医療振興財団臨床研究情報センターセンター長)
    治療薬が成功するには単独研究ではダメで疾患レジストリーから治験に至るまで強力なマネージメントが必要。近年は研究加速ネットワークプログラムによって薬事承認申請が多くなされその成果が現われている。

    講演4(16:00〜16:30)
    「次世代遺伝子解析装置を用いた研究と難病の病態機序解明・治療法開発への展望」
    辻 省次氏(東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻 臨床神経精神医学講座教授)
    ヒトゲノム配列解析装置の飛躍的進歩によって分子レベルで難病の発症機構を解明できる状態になってきており、遺伝性、弧発性の両者の解析にも役立っている。多系統萎縮症の病因遺伝子の同定、また異常を発見し治療法の研究に進めてきている。

    講演5(16:30〜17:00)
    「運軌ニューロシ病(SNA ALS等)に対する治療法の研究ー新たな医療機器を目指して」
    中島 孝氏(国立病院機構新潟病院副院長)
    生体電位駆動によるロボット操作HALで運動障害の治療研究で、これを使うことで運軌ニューロシ病の改善が見られたという報告。

    講演6(17:00〜17:30)
    「難病に対する患者支援体制のあり方
    西沢正豊氏(新潟大学脳研究所 臨床神経科学部門神経内科学分野 教授)
    難病患者には症状や生活を支援するキーパーソンが重要であるが、そのコーディネータとなる人が現実長く継続できていない。問題点として、情報不足、難病に対する教育不足、低い待遇、そして地域格差とある。今回経験した震災における支援問題を取り組み、厚労省難病対策委員会に提言した。また、個人情報開示の壁もあり患者の協力も望まれる。

    全体的に一般のシンポジウムと比べ、実際にどの程度役立っているのかの見解がかなり強調されており、この意気込みが強く感じられた内容であった。特に福島氏の「治験に至らない単なる研究は税金ドロボー」という衝撃的な発言は真摯な研究態度に感動すら覚えた。今回、ALS関連はHALの紹介のみだったが難病全体の取り組み課題を把握するいい機会だったとも言える。(福永記)

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